クラッシュ症候群を知っていますか
クラッシュ症候群(圧挫症候群・挫滅症候群)
クラッシュ症候群(Crush Syndrome)は、地震などの災害時に建物の倒壊などで
身体の一部が長時間圧迫された後に発症する重篤な症状です。
筋肉が壊死し、そこから流出するミオグロビンやカリウムなどの有害物質が血流に乗って全身に回ることで、
腎不全や心停止を引き起こす可能性があります。
発災時にみられるクラッシュ症候群の特徴
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がれきや重量のある物に挟まれていた
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挟まれていた部位がパンパンに腫れている・点状に出血している
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挟まれた部位が動かない・さわっても感覚がない
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紅茶色の尿がでる
救助時の注意点
救出前に点滴を開始
医療従事者がいる場合、腎臓保護のため輸液を行う。
圧迫解除のタイミングに注意
一気に解除すると有害物質が急激に流出するため、慎重な対応が必要。
専門医療機関への搬送
救出後は速やかに病院での治療が必要。
倒壊建物からの救出時にクラッシュ症候群への対応が重要、救助者の安全確保と医療連携が必要です。

一般の方が災害時にできる対応
無理な救出は避ける
圧迫された部位を不用意に解除すると症状が急激に悪化する可能性があ
るため、医療従事者の到着を待つことが推奨されています。
保温と声かけ
ショック症状を防ぐため、毛布などで保温し、意識がある場合は安心させる声かけを行う。
救助要請と情報共有
119番通報時には、圧迫の状況や意識の有無などを正確に伝える。

まとめ
クラッシュ症候群のような重い症状は、救助のしかたやタイミングによって命に関わることがあります。
だからこそ、私たち一人ひとりが基本的な知識を知っておくことが大切です。
災害時には、医療の専門家と連携し、落ち着いて行動することが命を守るカギになります。
【参照】避難所運営の知恵袋~みんなで助け合える避難所づくりのために~
(認定特定非営利活動法人レスキューストックヤード(RSY))
東京消防庁「第10章 救助・救出訓練の指導」https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/ts/bfc_manual/high_school/cp10.html
東京都「東京くらし防災」https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/content/kb2023/#page=133
東京都「東京防災」https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/content/tb2023/#page=223