「避難所に逃げれば安心」と思い込んでいませんか?
「災害が起きたら、避難所へ逃げる」
「避難所に逃げれば安心」と思い込んでいませんか?
その思い込みが、命に係わる場合があります。
よく「避難所」という言葉は耳にしますが、「避難場所」の存在はご存知でしょうか。
避難先は、大きく分けて「避難場所」と「避難所」があります。
今回はその違いと、思い込みが命に係わる理由をお伝えします。
避難場所と避難所の違い
≫ 避難場所 とは
災害から命を守るため、緊急的に避難する施設または場所です。
避難場所は、災害の種類毎に場所が異なります。
・大地震であれば津波を避ける高い場所や火災を避ける広い場所
・台風や大雨であれば浸水や土砂災害を避ける、河川や土砂災害発生地域から離れた場所など
≫ 避難所とは
住宅が損壊したり、倒壊などの危険があり生活する場所がなくなってしまった場合に
一時的な生活をする場所として滞在するための施設です。
食べ物や水も備蓄されています。
【参照】
首都直下地震の避難所の現状や問題は?2022年5月被害想定見直しから考える避難所について | テレネット株式会社 (telenet.co.jp)
それぞれの違いを見てみると、まずは「避難場所」へ避難、危険がなくなった後、
自宅に住めなくなった場合は一時的に「避難所」で生活をすることができるということになります。
※避難場所と避難所が一緒になっている場所もあります。
他にもこんな避難先があります! ≫ 一時避難所 避難場所へ避難する前に、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場所又は避難者が避難のために一時的に集団を形成する場所で、 集合した人々の安全が確保されるスペースを有する学校のグラウンド、近所の公園等をいいます。 ≫ 福祉避難所 災害時に特に配慮が必要な方のために、 一般の避難所とは別に、「福祉避難所」 などの専用スペースがあります。 ☞ あなたのまちの避難所について(内閣府リーフレット) |
避難場所と避難所が明確化された背景
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の時点では、
避難場所と避難所の区別は必ずしも明確ではありませんでした。
さらに避難場所も災害の種類毎に区分されておらず、ひとくくりになっていました。
このため、「地震が起きたら○○小学校へ逃げる!」という意識がすり込まれることになり、
津波にのまれる場所にある避難所へ逃げ込み、命を落とすといった被害が発生してしまいました。
こうした教訓・反省を生かし、「走って逃げる際には避難場所」「生活をする場所は避難所」
という区別をするために、指定緊急避難場所と指定避難所の違いや定義が明確になったのです。
最寄りの避難場所と避難所を確認しましょう!
このように、「災害が起きたら避難所へ逃げる」「避難所に逃げれば安心」という思い込みが命にかかわる場合があります。
・避難所は、自宅に住めなくなった場合に一時的に生活をする場所であること。
・災害の種類によって避難場所が異なること。
上記を踏まえて今一度、最寄りの避難場所と避難所を確認しておきましょう。
【参照】
避難場所(指定緊急避難場所)と避難所(指定避難所)の違い|備える.jp (sonaeru.jp)
避難所と避難場所、一時集合場所の違い!定義は?避難するタイミングは? | くらしの豆知識 (kurasinomamechisiki.com)
避難所及び避難場所|東京都防災ホームページ (tokyo.lg.jp)
避難場所と避難所の違いは?災害を表す記号を学ぶ NHKこどもニュース | NHK | News Up | 東日本大震災